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私はこの会社に入るときプライドを捨てました。でも、この会社に入って新しいプライドを得たんです

Posted by ななし on 11.2015 記事 0 comments 0 trackback
社会人になったものの「思っていたのと違った」と会社を辞める若者が相変わらず少なくありません。
しかし、自分観念を捨て「志」を共有すれば、日々の業務の中に充足と誇りを見出し仕事に取り組むことができる。
そんな会社とそこで働く方の実感が紹介された記事がありました。

「新幹線清掃員のプライド」
(国際派日本人養成講座(リンク)より)

:::以下引用:::

[前略]

 掃除で注目を集めている企業がある。JR東日本の子会社で、新幹線の掃除を担当している鉄道整備会社、通称テッセイである。

 東京駅などで新幹線に乗ると、一列に並んでお辞儀をする女性たちの姿を見かける。列車がホームに入る3分前に、1チーム22人が5~6人ほどのグループに分かれて、ホーム際に整列する。列車が入ってくると、深々とお辞儀をして出迎える。降りてくるお客様には、一人ひとり「お疲れさまでした」と声を掛ける。

 お客の降車が終わると、7分間の清掃に入る。座席数約100ある一両の清掃を一人で担当する。約25mの車両を突っ切り、座席の下や物入れにあるゴミを集める。次にボタンを押して、座席の向きを進行方向に変えると、今度は100のテーブルすべてを拭き、窓のブラインドを上げたり、窓枠を拭く。座席カバーが汚れて入れば交換する。

 トイレ掃除の担当者もいる。どんなにトイレが汚れていても、7分以内に完璧に作業を終える。チームのリーダーは、仕事が遅れていたり、不慣れな新人がいる場合には、ただちに応援し、最後の確認作業を行う。

 7分間で清掃を終えると、チームは再び整列し、ホームで待っているお客様に「お待たせしました」と声を掛け、再度一礼して、次の持ち場へ移動していく。

 始発の朝6時から最終の23時まで、早組と遅組の2交代制でこの作業を行い、1チームが一シフトで、多いときには約20本の車両清掃を行う。JR東日本で運行する新幹線は一日約110本、車両数にして1300両。これを正社員、パート含めて約820人、平均年齢52歳の従業員で清掃する。

[中略]

■「お母さん、そんな仕事しかないの?」

 テッセイの清掃スタッフの一人は次のような体験を語っている。

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60歳を過ぎて、私はこの仕事をパートから始めました。
 [中略]
 でもひとつだけ「お掃除のおばさん」をしていることだけは、誰にも知られたくなかったんです。
 だって他人のゴミを集めたり、他人が排泄した後のトイレを掃除するなんて、あまり人様に誇れる仕事じゃないでしょう。家族も嫌がりました。
 [中略]
「親類にバレないようにしてくれ」・・・夫にもそう言われました
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 車内の清掃だけをしていたらいいのかと思っていたら、実際に働き出すと、まったく違っていた。自分の持ち場が終わると、さっと移動して、まだ終わっていない場所を手伝う。ホームで困っている人がいたら、自分から声をかける。

 ある時、70歳ぐらいの女性が、大きな荷物を引きずっていたので、清掃作業が終わってから、組の先輩と二人がかりで運んであげた。その女性は「本当にありがとうございました。助かりました」と窓ガラス越しに何度も頭を下げた。そんな事が重なるうちに、この仕事がいっそう好きになっていった。


■「あんなに立派な仕事をしているなんて思わなかったわ」

 仕事も少し速くなり、周囲の人とのお弁当の時間も楽しくなっていった1年目の春、大きな事件が起きた。ホーム上で整列し、お辞儀した際に、車窓のガラス越しに、目が合った人がいた。

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「あっ、ヨウコさん」
 それは夫の妹の顔でした。その横には肩をちょんちょんと叩かれて振り向いた夫の弟も。

 見られた・・・・。
 私、新幹線のお掃除をしているところを見られちゃったんだわ。
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 自分の中ではやりがいのある仕事だと思い始めていたが、世間の人はそう思わない。特にプライドが高い夫の兄弟たちは。

 1週間ほどした夜、電話が鳴った。夫の妹からだった。

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「働いているとは聞いていたけど、おねえさんがあんなに立派な仕事をしているなんて思わなかったわ。」
 義妹は本気で言っているようでした。

「東北新幹線のお掃除は素晴らしいって、ニュースでもやっていたの、見たの。ずっと家にいたおねえさんがあんなふうにちゃきちゃき仕事をする人だなんて思わなかった。すごいじゃないですか」

 私はうれしくてうれしくて、なんて返事していいのかわかりませんでした。
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 この女性は、翌年、パートから正社員の試験を受けて、その面接で上記の話をして、こう締めくくった。

「私はこの会社に入るとき、プライドを捨てました。でも、この会社に入って、新しいプライドを得たんです」

 面接した役員たちは、にっこり笑って、うなずいた。


■「清掃の会社ではなく、おもてなしの会社なのだ」

 テッセイの芸術品とも言える清掃サービスは、社内の長年の工夫、苦心を積み上げて、磨き上げられてきたものだ。

 かつては「清掃の会社なのだから、掃除だけをきちっとやればいい。客へのお辞儀や声掛けは自分たちの仕事ではない」と反発する声もあった。

 しかし、様々な試みを通じて、「自分たちの仕事は清掃だけではない。お客様に気持ちよく新幹線をご利用いただくことだ」「清掃の会社ではなく、おもてなしの会社なのだ」とみんなが理解し、納得した時に、テッセイの現場は大きく変わり始めた。

 テキパキとした「プロの仕事ぶり」、「礼儀正しさ」。上述の「新しいプライド」を得たという60歳の女性は、「ここは旅する人たちが日々行き交う劇場で、私たちはお客さまの旅を盛り上げるキャストなのです」と言っている。

 いかにお客様に「おもてなし」をし、旅を盛り上げるか、と一人ひとりの従業員が考え始めると、実に様々なアイデアが湧いてくる。お客へのお辞儀や、チーム一列の整列出場、退場もそんな中で生み出されてきたものだ。

 新人はまずそういう形を学び、真似する所から育っていく。そして一人前になると、自分で創意工夫を生み出していく。そこから生まれる自発性が、テキパキとした動きや、お客に対する真心のこもった一礼となる。

 単に「マニュアル通りやれ」という命令だけでは、こうした人間は育たない。海外の大学生までもが研修に訪れるという事は、こうした日本文化の深層にある人間観に着目してのことだろう。


[後略]

:::引用終わり:::




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