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内部被爆について考える

Posted by ななし on 14.2015 記事 0 comments 0 trackback
以下、「内部被爆について考える」  より引用します。

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(ICRP)1990 年勧告は、内部被曝について評価する資格がない1-1.

 国際放射線防護委員会勧告以下は、国際放射線防御委員会の規準です。

吸収線量の考え方吸収線量は、ある一点で規定することができる言い方で定義されている。しかし、この報告書では、特に断らないかぎり、1つの組織・臓器の平均線量を意味する。(2.2基本的な線量計測量)
放射線防護上関心のあるのは、一点に於ける吸収線量でなく組織・臓器にわたって平均し、線質について加重した吸収線量である。(2.2.2 等価線量)
 国際放射線防御委員会の規準では吸収線量を、被曝した微小領域で本来規定すべきであるが、臓器当たりの平均量で評価することを規準とすると宣言しています。この方法は内部被曝を科学的に評価できるものではなく、著しく過小評価するものです。これを具体的に説明します。

1.2 内部被曝と外部被曝の違い

図1に示すように、放射能が身体の外部にある場合と内部にある場合では、被曝の状況が根本的に異なります。外部被曝放射性物質(放射能)が体外にある場合には、飛程の短いアルファ(α)線やベータ(β)線は、放射線物質がすぐ近くにある場合を除いて、あまり身体には届きません。届いても皮膚近くでとまってしまいます。ガンマ(γ)線だけが身体を貫きます。この場合は、身体全体に当たると仮定してよい状況で、国際放射線防護委員会(ICRP)モデルを適用できます。すなわち、身体で受けとめたエネルギー量を体重で割ったものが吸収線量だと評価できます。
また、身体との相互作用が希薄であるためイオン化(後述)は疎(まば)らであり、体内のどこにあるいはどれだけ密集してイオン化がなされるかということも確率的であり、遺伝子や染色体の損傷も線量に比例していると考えるのが妥当です。図1 外部被曝と内部被曝の被曝状況の違い内部被曝と高密度イオン化

しかし、内部被曝の場合は事情が一変します。飛程の短いα線とβ線は身体の中で止まってしまうので、持っているすべてのエネルギーが細胞組織原子のイオン化等に費やされます。図2に示すように、特にα線は飛程が40 マイクロメートルで、その間に420 万電子ボルトを失います(電子ボルトはエネルギーの単位:電子を1 ボルトの電位差で加速して得られる運動エネルギーに等しい)。平均イオン化エネルギーは32.5 電子ボルト程度なので、たった40 マイクロメートルの間にほぼ10 万個( ≒,200,000/32.5) のイオン化がなされます。
 イオン化とは、マイナスの電気量を持った電子が原子から吹き飛ばされ、原子がプラスの電気量を持つイオン(中性でなくなった原子や分子をイオンと呼びます)となることです。その時、結合していた原子同士が切断されます。放射線が染色体DNA の鎖を切断すると遺伝子が損傷を受ける可能性があるのです。

-1-3. 被曝の評価-こんなにも過小評価されている-

ウランの場合はα線放射です。この場合、イオン化の程度は、α線の短い飛程内の隣り合う原子すべてをイオン化するという密集度です。つまり、ものすごく高密度のイオン化がなされます。一方、図2の右図に示すように、もし、同じ10 万個のイオン化が例えば1キログラムの臓器全体で疎らに発生する場合には、イオン化はすべて孤立した状態で散在することになり、γ線の低線量被曝の状態と一致します(右図にはγ線被曝の状況を描いています)。この場合は文字どおり低線量被曝となりα線内部被爆の場合と比較すると、質量当たりの吸収エネルギーでは10 の9 乗(10億)倍もの差があります。国際放射線防御委員会の規準は、図2の左図に示されるような被曝状況が右図に示される被曝状況に置き換えられて評価されるのです。隣り合う原子がすべてイオン化されているような密集したイオン化状況はなにも見えてきません。

1-4. まとめ

国際放射線防護委員会の規準では、α線およびβ線の内部被曝の評価は決してできません。γ線に照射される場合、すべてのγ線が同時にやってくるとは限らず、イオン化する場所も体のあちこちです。γ線の場合は時間的にも場所的にもイオン化は疎らです。それに対し、α線の内部被曝は同時に10 万個というイオン化を狭い場所(40 マイクロメートル内)に行うのです。そのため局所的には10 億倍も線量評価が違うのです。科学的に内部被曝を正しく考察することを放棄したICRP「規準」で線量評価を行うと、「劣化ウラン弾の放射能は懸念するに当たらない」という判断を導き出すところとなります。加えて、このような判断が放射線被害を真に予防する立場から離れると、「使用しても差し支えない」論拠となりうることも指摘します。また、バスラ地区等で報告されている多量の発がん・がん死亡の原因についても、体内に取り込まれた劣化ウラン微粒子が「原因物質である可能性」を重視できず、「科学的に解明されていない」として、放射能物質を撒き散らす劣化ウラン弾が戦争で使用されたこと自体に対する批判の目を曇らせる作用を導いていることも否定できません。

1-5. 欧州放射線防護委員会(ECRR) 勧告

欧州放射線防護委員会(ECRR) は放射線の作用を分子、細胞レベルで具体的なメカニズムを通して評価しなければならないとし、ICRPが内部被曝を評価基準に採り入れていないことを批判しています。評価方法の体系に対してもICRP の非合理性を指摘しています。また、疫学調査等の統計判断の観点はあくまで「健康被害の予防に徹する」立場を取るべきだとし、ICRP 勧告を批判しています。結果として、核時代にはいってからの人工的放射能の環境放出の結果もたらされた健康被害の評価も大幅に異なっています。

結果として、核時代にはいってからの人工的放射能の環境放出の結果もたらされた健康被害の評価も大幅に異なっています。ECRR の視点と方法は、幅広く深い思考の原理、哲学的根拠にふれながら展開されており、多少難しいところがあります。しかし、より科学的で、より鮮明な放射線被害予防の立場に立っており、是非広範な人々がこの勧告を知る必要があります。内部被曝の科学的認識は核時代の人類自体と地球環境の保全のために、大きな意識の変化が必要であることを提起しています。ICRP の基準は改定される必要に迫られています。





かなめんた
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