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今の高校生は本当に「幸せ」か?

Posted by ななし on 03.2019 記事 0 comments 0 trackback
リクルート進学総研が行った「高校生価値意識調査 2018『現在の幸福感と将来のイメージ』(リンク)に拠ると、高校生の76.8%が「今、幸せ」と回答している。

また、同じ調査の中で、IT・AIが普及した社会で「自分が働くこと」についても、【好ましい理由】として、「仕事が楽・効率的になる」(61.7%)、「今は存在しない新たな職業や仕事をすることができる」(32.9%)といった肯定的な回答が上位に挙がっている(特に男子)。

その一方で、そのような社会で働くにあたり【好ましくない理由】としては、「人間の仕事がなくなり就職難になりそう」(70.0%)、「今、就きたいと思っている仕事・興味がある仕事がなくなりそう」(43.0%)という不安が回答として上位に挙がっている(特に女子)。

同様にZ世代(12~18歳)が創造性に対してフタをしている(345164)という悲観的な意識調査結果も含めて、彼ら若者の意識状況をどうとらえたらよいのだろうか?

今回のリクルートの調査を読み込んで、考えてみた。

■強迫観念化した幸せ
・実は、2012年以降、経年の調査でみても「幸せ・計」は常に7割を超えて高止まりで安定している。
・「幸せの理由」の中味を見てみると、「衣食住に困らない」(17.0%)、「楽しい、笑っていられる」(14.1%)、「友達・仲間がいる、友達ができた」(13.4%)と、身近な狭い対象世界での幸せを捉えている。「幸せでない理由」を見ても、「学校」、「家庭」、「部活」と同様の印象。

→ベースには、平和ボケ(=外圧捨象。学校・マスコミ洗脳による思考の強制停止)があるが、潜在的には今も進行中の原発問題や放射能汚染に対する不安を感じているのは確か。そんな不安を、震災以降日本人の中に芽生えた本源(可能性)収束に依拠しつつも、仲間第一や親を気遣うという現象に見られる「充足(第一)基調」という歪んだ意識の中で、強迫観念的に「幸せな自分たち」像をつくり出しているように映る。

■周りの大人の意識を反映
・IT化、AI化が進んだ世界で「自分が働くこと」について期待と不安が交錯しているが、これをどう見るか。

→近年、識者のコメントとしてマスコミが盛んに「AI化でなくなる仕事・残る仕事」等の予測を出しているが、親自身もリストラ可能性を抱え展望を見出せない中で、未来論については誰にも答えが見えていない。よって、期待と不安が混在するのは当然。

→むしろ潜在的にはAI万能論への疑念(326740、345960)を抱える中で、表面的なレベルで職種の○×だけが議論されていることへの違和感がありそう。また、従来からの流れとして、楽しく仕事に向かっている大人が周りに少ない、むしろIT化やAI化の中でそれが顕著になりつつある、という「仕事に対する充足イメージの欠如」が根底にあると思われる。

■高校生やZ世代の意識構造
今回の意識調査を踏まえて、彼らの意識状況を人類の機能別に整理してみると、

○本能機能 :食は充足・性は封鎖?
生まれた時から衣食住は充足(当たり前)。その分、意識は共認やその先の観念へ向かっている。また、性は人工物質の影響で物理的に不能化しつつあり(346267)、潜在的にその危機的状況を察知して二次元世界へ逃避。極一部、危機発で本能回帰組もいるか。

○共認機能 :一定充足(狭い世界)
仕事などを通して、より広く、より深い共認充足を周りの大人が体現できていない。身近な世界での表層的、断片的なレベルの共認充足が中心。

○探求機能 :封鎖 ∵学校とマスコミ支配極まれり
仕事などを通じて、周りも巻き込んでワクワクさせるような探求充足を、周りの大人が示せていない。ここが致命的。

○観念機能 :旧観念への不信・新観念探索への萌芽
大人がまき散らす旧観念には可能性を感じないのでスルー。一方で、新観念(事実認識と構造認識)の探求可能性に気づいた層はまだ一部に過ぎないが、その萌芽はある。潜在思念とつながった話し言葉や感覚的な言葉(その充足体験)に可能性収束する層は確実に増えている。

例えば、
・「空前の人気!若者がハマる新型ラップの正体」(リンク)
・「音楽における『歌詞』の重要性が低下? メロディとの親和性や語感を重要視」(リンク)
・「谷川俊太郎以来!? “売れてる”現代詩人『最果タヒ』とは」(リンク)

以上、意識調査から湧いた疑問から、改めて現代の若者の意識を考えてみたが、大人の生き方(特に仕事に対する姿勢)次第で、若い世代のこれからは大きく変わると感じた。



竹村誠一
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